専門サイトとLP(ランディングページ)の違いと、使い分けの鉄則
どちらも「特化型」だが、目的はまったく異なる
「専門サイト」と「LP(ランディングページ)」は、どちらも単一テーマに特化したWebページという点で似ていますが、実際にはその目的・構造・活用法がまったく異なります。
両者を混同してしまうと、「期待した反応が得られない」「SEO効果が出ない」「広告費がムダになる」といった失敗につながりやすくなります。
ここでは、両者の違いと、どのように使い分ければよいかを明確に整理します。
専門サイトとLPの違いを一覧で比較
項目 | 専門サイト | LP(ランディングページ) |
---|---|---|
目的 | SEOによる集客/ブランディング | 広告・SNS等から直接集客・即コンバージョン |
構造 | 複数ページ+階層構造 | 1ページ完結・縦長構成 |
SEO効果 | 高い(中長期的に有効) | 低い(検索流入には不向き) |
更新性 | ブログなどで継続更新 | 基本は固定ページ |
使用媒体 | 自然検索・公式サイトなどからの導線 | 広告/SNS/メール/QRコード等の外部媒体 |
導線設計 | 情報提供 → 信頼構築 → 問い合わせ | 心理誘導 → 即アクション(電話・申込) |
最適なタイミング | 中長期の集客戦略 | 短期的な販促キャンペーン・イベント時 |
専門サイト=“育てる資産”、LP=“仕掛ける武器”
専門サイトは、検索エンジンからの自然流入を積み重ね、信頼性とブランドを強化していく“資産型メディア”です。
一方で、LPは、「今すぐこの商品を売りたい」「イベント申込を増やしたい」などの“即効型マーケティングツール”です。
したがって、
- 専門サイト=ユーザーの疑問に丁寧に応え、信頼を醸成する“情報の森”
- LP=シンプルに心を動かし、即アクションを促す“心理誘導の一本道”
というように、役割はまったく異なります。
具体例で見る 〜 歯科医院のケース
例1:専門サイト
- テーマ:マウスピース矯正専門サイト
- 内容:治療概要・流れ・リスク・料金・Q&A・ブログ
- 目的:SEO対策とブランディング、安定した流入確保
例2:LP
- テーマ:「インビザライン無料相談キャンペーン」LP
- 内容:限定特典・割引・申込フォーム
- 目的:広告流入による短期的な申込獲得
両者を併用することで、中長期の土台(専門サイト)+短期の爆発力(LP)を両立できます。
使い分けの鉄則 〜 設計・集客・目的を“分けて考える”
失敗例に多いのが、以下のようなパターンです。
- LPに情報を詰め込みすぎて、専門サイトのようにしてしまう → 離脱率が高くなる
- 専門サイトなのに即決を求めすぎて、ユーザーが警戒する → 信頼を失う
- LPにだけ広告を流して、専門サイトとの連携がない → ブランドに残らない
それぞれの役割を整理して、「どんな導線で、どんな心理状態のユーザーを、どんなアクションに導くか」を明確にすることが、成果を分ける最大のポイントです。
LPは“飛び道具”、専門サイトは“母艦”
LPは、短期成果を狙うときの「飛び道具」。
専門サイトは、信頼を蓄積し続ける「母艦」です。
どちらか一方だけでは限界があります。
「検索からの流入は専門サイトに任せ、広告経由の直球アクションはLPに任せる」
という明確な役割分担こそ、Webマーケティングを成功に導く戦略です。